頭が締めつけられる日もあれば、ズキズキして横になりたい日もある。同じ「頭痛」でも、痛み方や困る場面は人によって違います。

よく耳にするのが、緊張型頭痛と片頭痛です。「肩がこるなら緊張型」「片側が痛むなら片頭痛」と思っていませんか。

両者の違いを見るときは、痛む場所だけでなく、動作や一緒に出る症状も手がかりになります。 この記事では、典型的な特徴と、受診時に伝えたいことを整理します。

緊張型頭痛と片頭痛は、頭痛の種類が違う

頭痛は、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分けられます。一次性頭痛は、ほかの病気が原因となっているわけではない頭痛です。緊張型頭痛と片頭痛は、こちらに含まれます。

一方、感染症や脳の血管の病気などに伴う頭痛が二次性頭痛です。頭痛にはこのほかにも種類があり、すべてを今回の二つに分けられるわけではありません。

また、一次性という言葉は「軽い」「我慢してよい」という意味ではありません。仕事や家事が進まない、予定を取りやめるなど、生活への影響も治療を考える大切な情報です。

比較する前に、いつもと違う頭痛ではないかを確かめてください。突然の激しい痛みなど、早急な受診が必要な場合は、記事の後半でお伝えします。

緊張型頭痛は、締めつけるような痛みが典型

緊張型頭痛では、頭を押されるような重さや、締めつけられる感じがよくみられます。頭の両側が痛み、強さは軽いものから中くらいが典型です。

歩いたり、階段を上ったりする日常の動作で、痛みが強まりにくいのも特徴です。頭が重くて集中しづらくても、動くたびに痛みが響くとは限りません。ただし、動けるからつらくない、ということではありません。

首や肩のこりを伴う方もいますが、原因を筋肉の硬さだけで説明することはできません。頭の周りの筋肉からの痛みの刺激や、痛みを受け取る神経の働きなどが関わると考えられています。

特に頭痛が長く続く場合には、痛みの感じ方そのものの変化も関係します。「緊張型」という名前でも、気持ちの持ちようだけが原因という意味ではありません。

緊張型頭痛には、ときどき繰り返す反復性と、頭痛の日が多い慢性があります。この記事の比較は、主に反復性の典型的な特徴です。反復性では、痛みは30分から7日ほど続くことがあります。

片頭痛は、動くことや光・音がつらくなることも

片頭痛は、頭の片側がズキズキと脈打つように痛むのが典型です。痛みは中くらいから強いことが多く、歩行や階段などで悪化します。動きたくなくなり、横になって休みたいと感じる方もいます。

さらに、吐き気が出たり、普段なら気にならない光や音がつらくなったりします。明るい画面を見続けられない、周囲の話し声が負担になる。そんな変化も、頭の痛みと合わせて伝えたい症状です。

名前に「片」とつきますが、両側が痛むこともあります。ズキズキしない片頭痛もあるため、片側か両側かだけでは判断できません。成人では、治療をしない場合などに4〜72時間続くのが典型です。

片頭痛には、顔や頭の感覚を伝える三叉神経などの働きが関わっています。単に血管が広がるだけの頭痛ではなく、神経の仕組みも含めて考えられています。

頭痛の前に、視界へギザギザした光が現れるなどの「前兆」が出る方もいます。ただ、前兆のない片頭痛もあります。前兆がないことを理由に、片頭痛を除外することはできません。

両者の持続時間には、重なる範囲もあります。「半日続いたから片頭痛」とは言い切れません。薬を使って短くなった場合も、薬を飲む前の様子と合わせて伝えると参考になります。

緊張型頭痛と片頭痛の典型的な痛み方と持続時間。場所や痛み方だけでは判断できない

違いは、痛み方と一緒に出る症状を組み合わせて見る

痛みの強さは、数字だけでは伝えにくいものです。そこで、頭痛があるときに「何ができたか」「何をやめたか」も振り返ります。

例えば、頭は重かったけれど普段どおり歩けたのか。それとも歩くと響くため、移動を控えて横になったのか。この違いは、受診時に役立つ情報になります。

反復性緊張型頭痛では、通常、吐き気や嘔吐は伴いません。光や音がつらくなることはありますが、典型的にはどちらか一方です。片頭痛では、吐き気を伴ったり、光と音の両方がつらくなったりします。

ただし、吐き気がない片頭痛もあります。慢性の緊張型頭痛では、軽い吐き気を伴う場合もあります。一つの症状があるかないかで、病名を決める表ではありません。

医師は、こうした症状の組み合わせに加え、始まり方や回数、診察で分かることを確認します。比較は、自分で病名を決めるためではなく、頭痛の様子を具体的に伝えるために使ってください。

片頭痛と反復性緊張型頭痛を日常動作・吐き気・光と音で比較。典型像であり自己診断には使わない

同じ人に、両方の頭痛が起こる場合もある

緊張型頭痛と片頭痛は、どちらか一方しか起こらないわけではありません。同じ人に両方がみられることもあるため、毎回の頭痛を一つにまとめないことが大切です。

「普段は重い感じだけれど、月に何度か動けないほど痛む」。そんな場合は、痛み方の違う日を分けて伝えると、経過が分かりやすくなります。

また、肩こりは緊張型頭痛だけのものではありません。片頭痛の前に首のこりを感じる方もいます。「肩がこるから緊張型」と決めず、その日の頭痛全体を見ていきましょう。

記録するのは、日時と続いた時間、困った動作、吐き気や光・音のつらさです。薬を使った場合は、名前や時刻、その後どうなったかも残します。文章を整える必要はなく、スマートフォンへの短いメモでも構いません。

強い頭痛の日だけでなく、軽い頭痛の日や、薬を使った日にも印をつけておきましょう。「ひどい頭痛は2回だったけれど、軽く痛む日はもっとあった」という違いも分かります。

日時・動作・随伴症状・薬の使用を記録するメモ。症状を確かめるために無理な動作をしない

セルフケアは、そのときの症状に合わせる

光や音、動作がつらい頭痛の最中は、刺激の少ない静かな場所で休みます。画面を見続けたり、痛みをこらえて体操をしたりする必要はありません。

緊張型頭痛では、日々の休憩やリラクセーション、無理のない運動などが対策に用いられます。ただし、記事を読んで緊張型と決め、首を強くもんだり大きく回したりするのは避けてください。

頭痛のない時間も含め、睡眠や食事の時刻が乱れていないかを振り返ってみましょう。一度に生活を変えるより、休憩を入れ忘れていないかなど、できるところから整えます。

痛みが強いときは無理をせず、医療機関へ相談してください。 比較のために階段を上ったり、まぶしい光を見たりして、症状をわざと起こす必要はありません。

薬は、処方時の指示や説明書に従って使います。使う日が増えている場合は、自分だけで量や回数を増やさず、医師や薬剤師に相談してください。薬の使用過多が関係する頭痛もあるため、服薬日数の記録が役立ちます。

頭痛の種類を区別するのは、対処や治療の選び方にも違いがあるためです。片頭痛には、発作時の治療に加え、頻度や生活への影響に応じて行う予防の治療があります。緊張型頭痛でも、繰り返す頻度や困りごとに応じた対応を考えます。

何度も生活が止まる頭痛を、毎回その場だけでしのぐ必要はありません。病名がまだ分からなくても、「何日つらかったか」を伝えて相談できます。

突然の強い頭痛や、いつもと違う変化は受診を

突然始まる、これまで経験したことのない激しい頭痛は、救急での確認が必要です。片側の手足に急に力が入らない、言葉が出にくい、意識がおかしい場合も同様です。

高い熱と、首が強く硬くなる症状を伴う頭痛にも注意が必要です。こうした場合は、頭痛の種類を自分で決めず、119番などで救急の助けを求めてください。自分で車を運転することは避けます。

以前に片頭痛と説明を受けていても、新しく起きた症状をすべて同じものとは扱いません。初めての視覚の異常やしびれなども、自分で片頭痛の前兆と決めず、医療機関に相談してください。

緊急の症状がなくても、頭痛が増えた、強くなった、仕事や家事を休むことが増えたなら相談の目安です。かかりつけ医や脳神経内科、頭痛外来へ、頭痛の記録を持っていくと伝えやすくなります。

緊張型頭痛と片頭痛の違いは、締めつけるかズキズキするかだけではありません。動作による変化と一緒に出る症状を振り返り、その日の困りごとを伝えるところから始めてみてください。